ご訪問頂きありがとうございます。外国人のビザと雇用の専門家中国語が話せる行政書士・社労士の大西祐子です。
近年、最低賃金の上昇に伴い、「扶養の壁」が大きな話題になっています。
厚生労働省でも、扶養制度の見直しが進められており、パートやアルバイトで働く人の社会保険加入の対象は年々拡大しています。
しかし、外国人の在留資格「家族滞在」の方については、日本人とは少し異なる視点で考える必要があります。
今回は、「家族滞在で扶養を外れたらどうなるのか」について考えてみたいと思います。
目次
在留資格「家族滞在」は、
一定の在留資格をもって日本に在留する外国人の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動
と定められています。
つまり、「扶養を受けていること」が在留資格の前提条件です。
ところが、「扶養を受ける」とは具体的にどの程度を指すのでしょうか。
実は、この点について明確な基準が示されているわけではありません。
年収100万円を超えると住民税が課税され、
103万円を超えると所得税が課税されます。
だからといって、自分で税金を納めるようになっただけで、直ちに家族滞在の扶養から外れるとは考えにくいでしょう。
税法上の扶養と、在留資格上の扶養は必ずしも同じではありません。
一方で気になるのが、社会保険の扶養です。
一定規模以上の会社では、
・週20時間以上勤務
・賃金月額8万8,000円以上
などの要件を満たすと、自ら健康保険・厚生年金保険へ加入する必要があります。
例えば時給1,200円で週20時間勤務すると、月収は約9万6,000円となり、社会保険加入の対象になる可能性があります。
さらに、家族滞在の資格外活動許可では週28時間まで働くことができます。
時給1,200円で28時間働けば、月収は約14万円程度になりますので、社会保険加入となるケースも十分考えられます。
健康保険の被扶養者として認定されるためには、
・年間収入130万円未満
・同居の場合は扶養者の収入の2分の1未満
などの基準があります。
最低賃金の上昇により、本人は勤務時間を増やしていないにもかかわらず、給与だけが上がり、結果として扶養から外れてしまうケースも今後増えていくかもしれません。
制度の見直しも期待されるところです。
さらに気になるのは、入管が考える「扶養を受けている」という状態です。
例えば、
本国で事業を経営しながら、日本では家族滞在として生活している方もいます。
このような場合でも、「扶養を受けている」といえるのか。
どこまで収入があると扶養を受けていないと判断されるのか。
現時点では、明確な数値基準が公表されているわけではありません。
そのため、個々の事情を踏まえて判断される可能性があります。
最近は最低賃金の上昇や社会保険適用拡大により、「扶養」の意味がこれまで以上に重要になっています。
特に外国人の場合は、
・税金の扶養
・社会保険の扶養
・在留資格上の扶養
という3つの視点を分けて考える必要があります。
収入が増えること自体は悪いことではありません。
しかし、働き方によっては在留資格にも影響する可能性がありますので、家族滞在で就労している方や、その方を雇用している企業は十分注意したいところです。
個別の状況によって判断が異なるケースもありますので、不安な場合は早めに専門家へ相談されることをおすすめします。
最後までご覧いただきありがとうございました。今日も良い一日をお過ごしください!
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