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初めて人を雇う外国人経営者へ。採用前に知っておきたい4つのポイント

こんにちは。

外国人ビザと雇用の専門家、
中国語が話せる行政書士・社労士の大西祐子です。

外国人経営者の方から、会社を設立して事業が軌道に乗ってくると、こんな相談を受けることがあります。

「そろそろ人を雇いたいのですが、何から始めればいいですか?」

実は、初めて従業員を雇うときには、さまざまな準備が必要です。

「給料はいくら払えばいいの?」

「社会保険には入らないといけない?」

「残業したら、いくら払えばいい?」

「雇用契約書は必要?」

「所得税や住民税はどうするの?」

特に日本で会社を経営する外国人の方にとっては、日本独特の労働法や社会保険、税金の仕組みが分かりにくいことがあります。

しかも、外国人を雇用する場合には、これらに加えて「在留資格」の確認も必要です。

今回は、初めて人を雇う外国人経営者の方に向けて、最低限知っておきたいポイントを整理します。

1.まず「どんな人を雇うのか」を決める

採用を考えるとき、最初に決めるべきなのは給与額ではありません。

「どんな仕事を、誰にしてもらうのか」です。

例えば、

・正社員として雇うのか
・パート・アルバイトとして雇うのか
・外国人を雇うのか
・週に何時間働いてもらうのか
・契約期間を定めるのか

などを具体的にします。

特に外国人を雇用する場合には注意が必要です。

「日本で働ける外国人だから、どんな仕事でもできる」

というわけではありません。

外国人は、原則として在留資格で認められた範囲の仕事しかできません。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っている外国人を採用する場合、その人の学歴や職歴、在留資格と、実際に担当する業務との関連性を確認する必要があります。

採用した後になって、

「この仕事は在留資格の範囲外だった」

となると、会社側にも大きなリスクがあります。

だからこそ、外国人を採用するときには「採用できるか」だけではなく、「その仕事をさせてよいか」という視点が重要です。

2.社会保険には加入するの?

初めて従業員を雇う経営者が、特に迷いやすいのが社会保険です。

健康保険と厚生年金については、会社の法人・個人事業の別や従業員の勤務条件などによって加入義務を判断します。

また、労災保険と雇用保険についても、それぞれ加入要件があります。

ここで大切なのは、

「外国人だから社会保険に入らなくていい」

ということではありません。

日本人従業員と同様に、法律上の加入要件を満たせば、外国人従業員も社会保険や労働保険の対象になります。

むしろ外国人経営者の場合、

「ビザのことは行政書士に相談していたけれど、社会保険や労務管理は後回しになっていた」

というケースがあります。

しかし、在留資格の更新や永住許可などを考える場合、社会保険や税金などの公的義務を適切に履行していることは重要なポイントになります。

採用した後ではなく、採用前から適切な仕組みを作っておくことが大切です。

ただし、1年間限定のワーキングホリデイの場合、雇用保険は対象外です

3.給与はいくら払えばいい?

「この仕事なら月25万円でいいかな」

というように、会社側の感覚だけで給与を決めるのはおすすめできません。

最低賃金を下回らないことはもちろん、雇用する人の仕事内容、経験、勤務時間、地域の最低賃金などを考慮して給与を設定する必要があります。

また、外国人を「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で雇用する場合には、給与水準についても注意が必要です。

原則として、日本人が同じ仕事をする場合と比較して、不当に低い給与設定にすることはできません。

つまり、

「外国人だから安い給料でいい」

という考え方は通用しません。

給与は、会社にとって毎月発生する大きな固定費です。

だからこそ、採用前に売上や利益、社会保険料なども含めて人件費をシミュレーションしておくことが重要です。

4.残業代はどうなる?

人を雇うと、多くの経営者が初めて直面するのが「残業」です。

「忙しいときは少し残ってもらえばいい」

と簡単に考えてしまうと、後からトラブルになることがあります。

労働時間、休憩、休日については労働基準法上のルールがあります。

また、法定労働時間を超えて働かせる場合には、原則として36協定などの対応が必要になります。

そして、法定時間外労働などについては割増賃金の支払いが必要になります。

さらに、

「固定残業代を入れているから、何時間残業しても大丈夫」

というわけでもありません。

固定残業代を導入する場合には、基本給と固定残業代を明確に区分し、何時間分の残業代なのかなどを適切に設定する必要があります。

残業代のトラブルは、退職した従業員から突然請求されることもあります。

だからこそ、最初からルールを明確にしておくことが重要です。

5.賃金制度はどう作ればいい?

従業員が1人だけのときは、

「とりあえず月給を決めて雇用する」

でもスタートできるかもしれません。

しかし、従業員が増えてくると、

「AさんとBさんで、なぜ給料が違うの?」

「昇給はどうやって決めるの?」

「役職がついたら、いくら上がるの?」

という問題が出てきます。

そこで必要になるのが、賃金制度や評価制度です。

例えば、

基本給

役職手当

資格手当

通勤手当

時間外労働に対する割増賃金

など、給与の構成を整理しておくことが大切です。

最初から複雑な制度を作る必要はありません。

会社の規模や成長に合わせて、

「どんな仕事をしてくれたら、どのように評価するのか」

を少しずつ明確にしていけばいいのです。

6.所得税と住民税も会社の仕事

従業員を雇うと、給与を支払うだけでは終わりません。

会社には、給与から所得税を源泉徴収して納付するなど、給与計算に関するさまざまな事務が発生します。

さらに住民税についても、一定の場合には会社が給与から天引きして納付する「特別徴収」が必要になります。

外国人従業員の場合、

「住民税って何ですか?」

と質問されることも少なくありません。

日本の税金制度は、外国人にとって分かりにくい部分があります。

そのため、会社側が給与明細を渡すだけではなく、必要に応じて仕組みを説明できる体制を作っておくと、従業員との信頼関係にもつながります。

7.外国人を雇うなら「労務」と「在留資格」を一緒に考える

ここが、外国人経営者の方に特にお伝えしたいポイントです。

外国人雇用では、

「人を雇うこと」

「外国人が適法に働けること」

を別々に考えることができません。

例えば、

採用

雇用契約

在留資格の確認

社会保険・労働保険

給与計算

税金

労務管理

在留資格の更新

というように、すべてがつながっています。

だから私は、外国人経営者の方には「ビザだけ」「労務だけ」という考え方ではなく、会社経営全体を見ながら準備することをおすすめしています。

8.初めて人を雇うときこそ、仕組みを作るチャンス

初めて人を雇うときは、不安になるのが普通です。

何の保険に加入するのか。

給与はいくらにするのか。

残業代はどう計算するのか。

雇用契約書はどう作るのか。

就業規則は必要なのか。

所得税や住民税はどうするのか。

外国人なら、どの在留資格で働けるのか。

分からないことがたくさんあります。

でも、これは会社をきちんとした組織にしていくための最初のステップでもあります。

「人を雇ってから考える」のではなく、

「人を雇う前に仕組みを作る」

ことが、トラブルを防ぐ一番の方法です。

外国人経営者の「初めての採用」をサポートします

私は、行政書士として外国人の在留資格を扱う一方で、社会保険労務士として企業の労務管理にも携わっています。

外国人経営者の方にとっては、

「ビザは行政書士」
「社会保険は社労士」
「税金は税理士」

と、それぞれ別々の専門家に相談することが負担になることがあります。

もちろん、税務など専門性の異なる分野については、必要に応じて税理士などの専門家と連携します。

そのうえで私は、

「外国人が日本で安心して、安定して暮らせる未来をつくる」

ことを目指しています。

在留資格を取得できれば、それで終わりではありません。

会社を経営し、従業員を雇い、社会保険や労務管理を行い、税金を納め、そして在留資格を更新していく。

外国人経営者の日本での生活と事業は、すべてつながっています。

だからこそ、私は「その場しのぎの許可」ではなく、更新や事業継続まで見据えたサポートを大切にしています。

初めて人を雇うことは、会社にとって大きな一歩です。

分からないことがあっても、一つずつ整理していけば大丈夫です。

「何から始めればいいのか分からない」

という段階からでも構いません。

外国人経営者の方が安心して人を雇い、会社を成長させていけるように、在留資格と労務管理の両面からサポートします。

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