外国公館で働く方の健康保険・厚生年金の適用

外国公館で働く方の健康保険・厚生年金の適用

ご訪問頂きありがとうございます。
外国人のビザと雇用の専門家 中国語が話せる行政書士・社労士の大西祐子です。

2028年(令和10年)4月1日から、外国の大使館や領事館などの外国公館で雇用されている方について、健康保険・厚生年金保険の適用が変わります。

これまで外国公館で働く日本人職員については、旧通知に基づく限定的な取扱いがされていましたが、2028年4月1日以降は、すべての外国公館が健康保険法・厚生年金保険法の対象事業所となります。

外国公館で働いている方にとって、健康保険や厚生年金に加入できるかどうかは、医療費だけでなく、将来の年金や病気・出産時の保障にも関わる重要な変更です。

なお、現在すでに健康保険・厚生年金に加入している方については、これまでどおりの取扱いが継続されます。

1. 外国公館の健康保険・厚生年金の適用が変わります

概要

  • 外国の大使館や領事館などで雇用されている方について、日本の健康保険・厚生年金保険の適用が変わります
  • 2028年(令和10年)4月1日から、すべての外国公館(大使館・領事館など)が健康保険法・厚生年金保険法の適用事業所となります
  • 外国公館で働く方は、一般の事業所と同様に、一定の加入条件を満たす場合、健康保険・厚生年金への加入対象となります
  • 現在すでに健康保険・厚生年金に加入している方は、これまでどおりの取扱いが継続されます

今回の変更によって、外国公館で働く方の社会保険について、これまでより明確な制度上の取扱いがされることになります。

2. 影響範囲と変更点

Before

昭和30年(1955年)以降、外国公館に雇用されている日本人職員への健康保険・厚生年金保険の適用については、旧通知に基づく限定的な取扱いがされていました。
一部の外国公館では任意で加入できる場合もありましたが、すべての外国公館が健康保険・厚生年金保険の適用事業所として扱われるわけではありませんでした。
そのため、外国公館で働いていても、健康保険・厚生年金への加入状況が一般の会社員とは異なるケースがありました。

After

2028年4月1日以降は、すべての外国公館(大使館、領事館など)が健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。
これにより、外国公館で雇用されている方についても、一般の事業所と同様に、勤務時間や勤務日数などの一定の条件を満たす場合には、健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。

2028年4月1日以降、すべての外国公館(大使館・領事館など)が健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。
外国公館で働く方は、国籍にかかわらず、一定の条件を満たす場合に健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。
正社員だけでなく、勤務時間・勤務日数などの条件を満たすパート・アルバイト等も加入対象となる場合があります。
すでに健康保険・厚生年金に加入している方の取扱いは変わりません。

メリット

健康保険に加入できる

健康保険に加入すると、病気やケガをしたときの医療費について、原則として医療費の自己負担が3割となるなど、健康保険による保障を受けることができます。

また、一定の条件を満たせば、傷病手当金や出産手当金などの給付を受けられる場合があります。

厚生年金保険に加入できる

厚生年金保険に加入すると、国民年金(基礎年金)に加えて厚生年金が上乗せされるため、将来受け取る年金額に影響します。

また、老齢年金だけでなく、一定の要件を満たした場合には障害年金や遺族年金についても厚生年金保険による保障を受けることができます。

保険料を外国公館と従業員が負担する

健康保険料と厚生年金保険料は、原則として事業主と従業員がそれぞれ負担します。

そのため、国民健康保険や国民年金と比べて、保険料負担の仕組みが変わることになります。

傷病手当金や出産手当金などの給付を受けられる

健康保険の被保険者となることで、病気やケガで仕事を休んだ場合の傷病手当金や、出産のために仕事を休んだ場合の出産手当金など、一定の要件を満たした場合に給付を受けられるようになります。

デメリット・注意点

保険料の負担が発生する

健康保険・厚生年金保険に加入すると、給与から健康保険料と厚生年金保険料が控除されます。

そのため、これまで国民健康保険や国民年金の保険料を支払っていた方についても、加入後は給与から社会保険料が天引きされることになります。

短時間勤務の方も加入対象になる場合がある

正社員だけでなく、パート・アルバイトなどの短時間勤務の方でも、勤務時間、勤務日数、賃金などの一定の条件を満たす場合には、健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。

自分が加入対象になるかどうかについては、外国公館の担当者に確認しましょう。

2028年4月1日までに外国公館側の準備が必要

2028年4月1日の施行に向けて、外国公館側では適用事業所に関する届出や、従業員の加入手続きなどの準備が必要になります。

外国公館で働く方についても、自分の加入状況や必要な手続きについて、勤務先の担当者に確認しておくと安心です。

3. 外国公館・従業員が行う手続き(ToDo)

2028年4月1日からの健康保険・厚生年金保険の適用に向けて、外国公館と従業員の方は、それぞれ必要な準備を進める必要があります。

2028年3月まで
【外国公館の担当者 → 年金事務所・健康保険組合】
外国公館が健康保険・厚生年金保険の適用事業所となるための届出準備を進める

2028年3月まで
【外国公館の担当者 → 従業員の方】
健康保険・厚生年金保険の加入条件に該当する従業員を確認し、制度や手続きについて説明する

2028年4月1日以降
【従業員の方 → 外国公館の担当者】
資格取得の手続きに必要となる個人情報(基礎年金番号、マイナンバーなど)を提出する

2028年4月1日以降
【外国公館の担当者 → 年金事務所・健康保険組合】
新たに加入対象となる従業員について、健康保険・厚生年金保険の資格取得届を提出する

施行後速やかに
【従業員の方 → 自身】
資格確認書等が交付された場合は内容を確認し、医療機関を受診する際に使用できるよう準備する

4. 外国公館で働く方が確認しておきたいポイント

2028年4月1日からの制度変更により、外国公館で働く方の健康保険・厚生年金保険の取扱いが変わります。

特に、現在国民健康保険・国民年金に加入している方は、健康保険・厚生年金保険への切り替えによって、保険料の支払い方法や将来の年金、病気・出産時の保障などが変わる可能性があります。

施行前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 自分が健康保険・厚生年金保険の加入対象になるか
  • いつから資格取得となるのか
  • 健康保険料・厚生年金保険料はいくらになるのか
  • 給与からいつ保険料が控除されるのか
  • 国民健康保険・国民年金について必要な手続きがあるか
  • 外国公館側でどのような手続きが行われるのか

5. まとめ

2028年(令和10年)4月1日から、すべての外国公館(大使館・領事館など)が健康保険法・厚生年金保険法の適用事業所となります。

これまで外国公館で働く方については、一般の会社員とは異なる取扱いがされるケースがありましたが、2028年4月1日以降は、一定の条件を満たす方について健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。

健康保険・厚生年金への加入は、毎月の給与から社会保険料が控除される一方で、医療保障や傷病手当金、出産手当金、将来の年金など、働く方の生活を支える重要な制度でもあります。

外国公館で働いている方は、施行前に自分が健康保険・厚生年金保険の加入対象となるのか、必要な手続きは何かを勤務先の担当者に確認しておきましょう。

何かご不明な点があれば、お勤め先の外国公館の担当者、または管轄の年金事務所にご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
今日も良い一日をお過ごしください!

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