「技能実習制度廃止」と育成就労制度

「技能実習制度廃止」と育成就労制度

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外国人のビザと雇用の専門家 中国語が話せる行政書士・社労士の大西祐子です

技能実習制度は廃止へ|法改正の背景と企業への影響

2027年4月、長年にわたり日本の外国人労働力確保を支えてきた技能実習制度が廃止され、新たに「育成就労制度」へ完全移行します。

この法改正により、外国人雇用の仕組みは大きく変わり、企業側にも新たな対応が求められることになります。

これまでの技能実習制度は、「国際貢献」「技能移転」を目的として運用されてきました。しかし現場では、外国人技能実習生の労働環境や人権問題、技能習得レベルのばらつきなど、多くの課題が指摘され続けてきたのです。

こうした背景を受け、日本政府は制度の抜本的見直しを決定しました。

技能実習制度の申請受付は2027年3月31日で終了予定となっており、同年6月30日までに新規実習生の入国・実習開始を完了させる流れになります。その後は、「育成就労制度」が外国人材受け入れの中心となります。

現在すでに受け入れている技能実習生については、一定条件のもとで継続や段階的移行が認められていますが、制度自体は段階的に終了していく方向です。

今回の法改正の本質は、従来の「国際貢献型」から、「人材育成と労働力確保」へ大きく舵を切った点にあります。

つまり、単なる技能移転ではなく、

  • 日本語力
  • 実務能力
  • 長期的な定着
  • 特定技能への移行

までを見据えた制度設計へ変化しているのです。

特に注目すべきなのは、育成就労制度が「新卒採用型」の仕組みとして設計されている点です。

従来の特定技能制度が、ある程度経験を持つ即戦力人材を受け入れる「中途採用型」であるのに対し、育成就労制度は、来日前から教育を行い、日本国内で3年間かけて育成するモデルへと変わります。

そのため今後の企業には、

「技能実習から特定技能へ移行させる」

という従来型だけでなく、

「育成就労で基礎力を育て、特定技能へつなげる」

という長期的人材戦略が求められるようになります。

これは単なる制度変更ではありません。

外国人雇用における、
教育体制・受け入れ環境・労務管理・定着支援まで含めた“企業体質そのもの”が問われる時代への転換ともいえるでしょう。

特に2025年夏頃までに行われる技能実習生の最終面接は、事実上の大きな節目になります。

2027年以降を見据え、今の段階から法改正の全体像を正しく理解し、育成就労制度への移行準備を始めることが重要です。


育成就労制度とは?企業が押さえるべき最新ルール

育成就労制度は、技能実習制度廃止後の新たな外国人受け入れ制度として創設されました。

最大の特徴は、

「原則3年間で特定技能1号レベルまで育成する」

ことを制度目的としている点です。

つまり、単なる労働力確保ではなく、“育成”そのものが制度の中心に置かれています。

日本語要件は大幅に厳格化

技能実習制度との大きな違いの一つが、日本語能力要件です。

育成就労制度では、入国時点で最低でも以下の水準が求められます。

  • 日本語能力A1レベル
  • JLPT N5相当

従来のように「来日後に日本語教育を始める」という考え方では通用しにくくなります。

そのため企業側には、

  • 現地送り出し機関との連携
  • 日本語教育体制の整備
  • 試験対策支援
  • 来日前教育の確認

などが求められます。

対象分野にも注意が必要

育成就労制度は、特定技能制度の対象分野に近い構成となっていますが、一部対象外分野があります。

特に、

  • 航空業
  • 自動車運送業

は対象外となる見込みであり、自社業種が制度対象となるかを早期確認する必要があります。

転籍制度が新たに導入

育成就労制度で大きな変化となるのが、「転籍制度」の存在です。

一定条件を満たした場合、他企業や特定技能受け入れ先への転籍が認められる方向となっています。

転籍には以下の条件があります。

  • 一定期間の実務経験
  • 技能検定合格
  • 日本語能力A2またはN4以上

つまり企業側には、

  • キャリア設計
  • 試験支援
  • 日本語教育
  • 定着支援

まで含めたマネジメントが求められることになります。

優良要件・受入人数制限にも注意

育成就労制度では、受け入れ後の教育実績や支援体制が厳しく見られるようになります。

さらに、

  • 受入人数制限
  • 地域ごとの制約
  • 優良受入機関要件

なども設けられる予定であり、法務・労務両面での管理体制整備が不可欠です。

2027年以降、外国人雇用で成功する企業は、「採用だけ」で終わらず、教育・定着・キャリア形成まで設計できる企業になっていくでしょう。


育成就労制度の実務対応ポイント

育成就労制度は、従来の技能実習制度以上に「育成成果」が重視される制度です。

そのため実務では、企業側の運用体制が非常に重要になります。

特にポイントとなるのは、

  • 教育担当者の配置
  • 日本語学習支援
  • 定期面談
  • 育成評価
  • フィードバック体制

の整備です。

単に雇用するだけではなく、「育成できる会社」であることが求められる時代になります。

また、2025年8月〜9月頃に予定される技能実習制度最後の面接時期は、実質的なラストチャンスともいえます。

このタイミングで、

  • 実習生採用
  • 移行計画
  • 育成体制構築
  • 社内ルール整備

を進めておくことが、今後の外国人雇用戦略に直結します。

転籍対策は“早期教育”が鍵

転籍制度への対応も重要です。

技能試験や日本語試験に合格できなければ、制度上の条件を満たせず、結果として外国人本人のキャリア形成にも影響が出ます。

そのため企業には、

  • 学習時間の確保
  • 試験対策支援
  • 継続的フォロー
  • キャリア相談

まで含めた支援体制が求められます。

外食業などは受入枠にも注意

特定技能制度では、すでに外食業分野などで受入上限問題が出ています。

今後は他分野でも、

  • 受入停止
  • 枠制限
  • 人数調整

が発生する可能性があります。

定期的に制度情報を確認し、自社の採用計画を柔軟に見直すことが重要です。


2027年法改正に向け、今から準備を

育成就労制度への移行は、単なる制度変更ではありません。

企業にとっては、

  • 外国人材育成
  • 労務管理
  • 日本語教育
  • 定着支援
  • キャリア形成

まで含めた「外国人雇用の質」が問われる時代への転換です。

だからこそ、今から準備を始める企業と、直前まで様子を見る企業では、大きな差が生まれていきます。

行政書士事務所アシスト・社会保険労務士事務所Assist youでは、

  • 外国人雇用コンサルティング
  • 育成就労制度対応支援
  • 特定技能受入支援
  • 入管申請
  • 労務整備

まで対応しております。

「その場しのぎの許可」ではなく、
更新・定着・将来の事業継続まで見据えた外国人雇用支援を行っています。

制度改正は、企業にとって大きな転換点です。

今このタイミングで正しく準備を始めることが、外国人雇用成功への第一歩になるでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。
今日も良い一日をお過ごしください!

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