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外国人ビザ専門 中国語が話せる行政書士・社労士の大西祐子です。
目次
はじめに
「2号の試験に落ちてしまったら、5年で帰国しなければならないの?」
「うちで働いている特定技能1号の外国人が試験に不合格だった。どうすればいい?」
特定技能1号で働く外国人やその雇用企業から、こうした不安の声をいただくことがあります。
特定技能1号の在留期間は、原則として通算5年が上限です。しかし、せっかく製造現場で技能を身につけ、会社にとっても欠かせない戦力となった人材が、試験の不合格だけを理由に帰国しなければならないとしたら、本人にとっても企業にとっても大きな損失です。
そこで2025年9月末より、一定の要件を満たした1号特定技能外国人について、通算在留期間を6年まで延長できる特例措置が設けられました。
今回は、この特例措置の内容・要件・注意点をわかりやすく解説します。
そもそも特定技能1号と2号の在留期間の違いは?
まず前提として、特定技能1号と2号の在留期間の違いを確認しておきましょう。
特定技能1号
通算在留期間:原則5年(上限あり)
家族帯同: 不可
転職:可能
特定技能2号
通算在留期間:上限なし(更新あり)
家族帯同: 可能
転職:可能
特定技能1号は、在留期間の上限が5年と決まっています。そのため、5年以内に特定技能2号への移行を果たすことが、日本で長期的に働き続けるための重要なステップとなります。
しかし、2号移行のためには評価試験やビジネス・キャリア検定3級などへの合格が必要であり、すべての方が1回で合格できるわけではありません。
特例措置の概要:不合格でも「あと1年」在留できる
2025年9月末より開始されたこの特例措置は、特定技能2号評価試験等に不合格となった1号特定技能外国人のうち、一定の要件を満たす方について、5年を超えて在留することに「相当の理由がある」と認め、通算在留期間を6年まで延長できるというものです。
つまり、「あと1年、試験合格に向けて頑張る機会」が与えられる制度です。
この特例は「当分の間」の措置とされており、永続的な制度ではありません。対象者や企業は、この1年間を試験合格に向けた真剣な準備期間と捉えることが大切です。
特例措置の対象となる要件
この特例を受けるためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
要件①:試験で合格基準点の8割以上を取得していること
特定技能2号への移行に必要な「全ての試験」について、合格基準点の8割以上の得点を取得していることが条件です。
工業製品製造業分野における対象試験は以下のとおりです。
【評価試験ルートの場合】
以下の両方で8割以上の得点が必要です。
- 製造分野特定技能2号評価試験(機械金属加工区分・電気電子機器組立て区分・金属表面処理区分のいずれか)
- ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション)
【技能検定ルートの場合】
- 技能検定1級(鋳造・機械加工・めっきなど所定の職種)で8割以上の得点が必要です。
「惜しくも不合格だったけれど、8割以上は取れていた」という方がこの特例の対象となります。
要件②:本人が以下の事項を誓約していること
外国人本人が次の3点を誓約していることが必要です。
- 8割以上の得点を取得した特定技能2号評価試験等の合格に向けて精励し、かつ同試験を受験すること
- 試験に合格した場合、速やかに特定技能2号への在留資格変更許可申請を行うこと
- 試験に合格できなかった場合、速やかに帰国すること
この誓約は非常に重要です。特例を受けながら試験を受験しない、あるいは合格後に2号申請を怠るといった行為は、誠実さを欠くものとして問題になりかねません。本人も企業も、この誓約の重みをしっかり受け止める必要があります。
要件③:特定技能所属機関(受入れ企業)が以下の両方に該当すること
受入れ企業側にも要件があります。
- 当該1号特定技能外国人を引き続き雇用する意思があること
- 特定技能2号評価試験等の合格に向けた指導・研修・支援等を行う体制を有すること
企業側が「試験合格をサポートする体制がある」ことを示すことが求められます。単に「もう少し働いてほしい」というだけでは要件を満たしません。具体的にどのような支援・研修を行うかを整理しておくことが重要です。
証明書類について:結果通知書の準備に注意
この特例措置の申請にあたっては、試験の結果通知書が必要です。
①製造分野特定技能2号評価試験
試験結果通知書
受験日が2025年11月3日以前のものは再発行されたものが対象です
② ビジネス・キャリア検定3級
試験結果通知書
「1号特定技能外国人」と記載されているものが対象です
③ 技能検定1級
試験結果通知書
「1号特定技能外国人」と記載されているものが対象です
特に、古い試験の結果通知書については再発行が必要なケースがありますので、早めに各実施機関に確認・手配しておくことをおすすめします。
この特例措置、どう活用すべきか?
私がこの制度を見て感じるのは、「外国人が日本で安心して長く働き続けられる環境を整えようとする国の意思」です。
試験に不合格になった外国人を「それまで」と切り捨てるのではなく、もう一度チャンスを与える。そのかわり、本人も企業も、その1年間を真剣に向上のために使うことが求められています。
雇用する企業の立場からは、「試験合格をサポートする体制」を整備することが、外国人材を長期的に活用するための投資だと捉えていただきたいと思います。
具体的には、以下のような取り組みが考えられます。
- 日本語学習・専門用語学習のサポート
- ビジネス・キャリア検定の教材提供や勉強時間の確保
- 試験対策の社内研修や外部研修への参加支援
- 技能検定に向けた実技練習の機会の確保
まとめ
特定技能2号評価試験等に不合格となった1号特定技能外国人への通算在留期間の特例措置について、ポイントを整理すると以下のとおりです。
- 対象:2号移行に必要な全試験で合格基準点の8割以上を取得した1号外国人
- 内容:通算在留期間を5年→6年に延長できる
- 条件:本人の誓約+受入れ企業の支援体制の両方が必要
- 書類:試験の結果通知書(発行方法・記載内容に注意)
この特例はあくまで「猶予期間」です。1年間で確実に2号へ移行できるよう、本人・企業・そして専門家が一体となってサポートする体制を作ることが大切です。
「対象になるかどうか確認したい」「申請の準備を一緒に進めたい」という方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
外国人が日本で安心して、安定して働き続けられる未来のために、一緒に考えましょう。
本シリーズ(全3回)はこれで完結です。工業製品製造業分野の特定技能制度に関するご質問・ご相談はいつでもお気軽にお問い合わせください。
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