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外国人ビザ専門 中国語が話せる行政書士・社労士の大西祐子です。
最近の在留資格制度の流れを見ていると、
日本語能力要件は今後ますます重視されていくのではないかと感じています。
現時点でも、
・特定技能:N4相当
・育成就労:N5相当
・経営・管理:N2相当
・大学等への留学:N2相当
・一部の技人国N2相当
と、日本語能力が求められる方向へ進んでいます。
そして、「技術・人文知識・国際業務」については、一部の職種について日本語要件が出てきました。
しかし、実際のところを見ていると気になる点があります。
目次
N4・N5では職場で十分な意思疎通が難しい現実
特定技能や育成就労で来日する外国人の中には、
日本語能力試験N4やN5を取得している方もいます。
もちろん個人差はありますが、
実務上の会話となると十分とは言えないケースも少なくありません。
そのため、
・監理団体
・登録支援機関
・同国人の先輩社員
のサポートに依存している職場もあります。
特に同国人の先輩がいる職場では、
日本語が十分にできなくても業務が回ってしまうことがあります。
しかし、それは本当に望ましい状態なのでしょうか。
日本で長く働き、生活していくことを考えると、
日本語能力の向上は避けて通れません。
企業も日本語能力を評価する時代へ
今後は企業側も日本語能力を積極的に評価していく必要があると思います。
例えば、
・N3取得で手当支給
・N2取得で昇給
・資格取得費用の補助
など、日本語学習へのインセンティブを設ける方法です。
いわゆる「飴と鞭」です。
日本語能力が高い人材ほど活躍の幅が広がり、企業側の負担も減ります。
外国人本人にとってもキャリアアップにつながります。
ホテルフロントで起きるミスマッチ
「技術・人文知識・国際業務」で採用されたホテルフロントスタッフを例に考えてみます。
外国語を使った接客は問題なくできる。
海外からのお客様対応もできる。
しかし、日本語での接客が十分にできない。
そうなると、
日本人のお客様や高齢者のお客様への対応で苦労するケースがあります。
では、清掃や配膳業務へ配置転換すればよいのでしょうか。
実はそう簡単ではありません。
在留資格制度は「誰が働くか」ではなく、
「何をするか」で許可が決まっています。
そのため、在留資格で認められていない業務への異動には制限があります。
雇用継続と在留資格制度の難しさ
もし業務遂行が難しくなり退職となった場合、
企業側にもさまざまな影響が生じます。
特定技能制度では、
受入れ企業の適正性が問われる場面もあります。
制度の趣旨は外国人材の保護と適正な受入れにあります。
本来は「仕事ができないから辞めさせる」という単純な話ではありません。
しかし現実問題として、
求められる業務が遂行できないのであれば、
企業としては配置や雇用継続について検討せざるを得ません。
結果として、
より業務適性の高い人材へ切り替えざるを得ない場面も出てくるでしょう。
永住にも日本語要件が広がるのか
近年は永住許可に日本語要件を設けるべきではないかという議論も見られます。
N3なのか。
それともN2なのか。
現時点では分かりません。
ただ、日本で生活し、日本企業で働く以上、
日本語能力が重要な要素であることは間違いありません。
優秀な外国人材の受入れとのバランス
一方で、日本語要件を厳しくしすぎることへの懸念もあります。
例えば、
・ITエンジニア
・研究者
・高度専門職
など、世界的に活躍できる優秀な外国人材の場合です。
社内公用語が英語で運用されている企業もあります。
そのような企業まで一律に厳しい日本語要件を課してしまうと、
日本が国際的な人材獲得競争で不利になる可能性があります。
重要なのは、日本語能力を求めることと、
優秀な外国人材の活躍機会を奪わないことのバランスです。
外国人が日本で安心して暮らし、安定して働ける環境を整えるためにも、
日本語教育の充実と適切な制度設計がこれまで以上に求められているのではないでしょうか。
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